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2025.03.25
1990年代のこと。 ミノルタのある技術者がふと「名刺サイズのカメラを作れないものか」と思いついた。彼は息抜きでラフなイメージ図を起こし、仕事の合間に設計を始めた。自分の専門外な部分は社内の知人に声をかけ設計してもらった。 会社の業務とは関係ない、ただのお遊びである。 しかしそのお遊びが会社にバレた。 普通の会社なら「業務時間中になにやってんねん!仕事をしろ!」と言われるだろう。しかし、ミノルタの経営陣は首謀者の聞き取り調査の後、なんと会社の正式プロジェクトとしてGoサインを出したのだ。 そして完成したそのカメラは「The Camera 1」の頭文字を取って「TC-1」と名付けられたのである。 …ここまでのエピソードで既に欲しくなってしまうぐらい激熱なのだが、カメラとしての完成度もめちゃくちゃ高い。 まず外形は薄さこそGR1系に負けるものの、前面投影面積は世界最小クラス。 スイッチのon/offやシャッターを切った時の動作ひとつひとつはキレがよく、小気味良い。フィルムの巻き上げも静かで速い。 AFは他の高級コンパクトカメラよりもはるかに細かなステップが設定されていて、より精密なピント合わせを実現。 露出補正はファインダーを覗きながらカメラを持ち替えずにできる。 絞りは一般的な絞り羽根ではなく、大きさの異なる金属板が差し替えられるという凝った方式で、絞り優先AEしか使えないし中間絞りも使えないが、ボケの美しさまで追求している。 じゃあなんでこのカメラを手放したのかと言うと、レンズの写りが自分の好みに合わなさすぎた。 とにかく硬い。シャープネスはバキバキだし、コントラストもガチガチだし、彩度もドーン!である。(※1950〜70年代のレンズが好きな人間の感想です) そのうち慣れるかも…と思って97本まで撮ってみたがどうしても合わず、友人に譲ってGR1vに買い替えてしまった。 もしTC-1にCLEの28mmがそのままついていたら…去年の個展はGR1v/1sではなくTC-1の展示になっていた。絶対。 そんなわけで、しっかり写るカメラが好きな人には、オススメなカメラです
Gear / Develop

Camera
Minolta
TC-1
Lens
Minolta
Minolta G-Rokkor28mmF3.5
Film
Kodak
Kodak Dyna HG
Lab
大阪府
KJイメージング(ビッグカメラ経由)
自宅でフィルムスキャン MINOLTA DiMAGE Scan DUAL Ⅲ
Shot on
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Photographer
気になったものは何でも撮る雑食性フォトグラファー。 伝えたいものはデジタルで撮り、残したいものはフィルムで撮っています ・次の展示 →水博 @写真企画室ホトリ 2026.08.23〜30 ・次の次の展示 →国産中判フィルム写真展 @ギャラリー大和田(渋谷) 2026.09.10〜13