夢の続き
個展「光さす 山路照らされど...」出展作品(2022) ある秋の日、尾瀬へ行った。 尾瀬ヶ原の真ん中、広葉樹の林の中に佇む山小屋に泊まり、翌日は早朝に出発して至仏山へ登ろう、という計画。 翌朝、夜明け1時間前に目覚めると小屋の外からシトシトという雨音。 至仏山は世にも滑りやすい蛇紋岩の山なので、登山は諦めて寝坊することにした。 明け方、再び目覚めて窓を開けると雨は全く降っていない。でも雨音は続いている。 どういうこと!?と思ったら、湿原に溜まった靄が広葉樹の葉の上で結露してそれが地面に降り注いでいたのだった。 広葉樹の林の中だけで降る雨など、それまで全く知らなかった。 そんな不思議な雨に惑わされた朝。 至仏山へ登れなかったかわりに、夢か現か分からないような風景をフィルムに焼き付けることができた。
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